MCT 劇団メグロコミュニティシアター

MCTは、目黒区を中心に活動している劇団です。 シェイクスピア作品の公演やワークショップを行っています。

私たちがNPO法人の認証を受けた理由

特定非営利活動法人 メグロコミュニティシアター 設立趣旨書

このところの演劇界は、現代劇、古典的名作を問わず、話題の公演に事欠きません。その多くは著名な演出家、若手有名タレントの起用によるものです。そこで観客は高額な入場料を覚悟しなければなりません。誰でもが気軽に観にいけるものではありません。シェイクスピアの活躍したエリザベス朝の劇場は、一般市民から王侯貴族まで多くの観客で埋まり、立場を越えて一緒に楽しみ共感できる場所であったはずです。

また、現在のそれら高価な公演は必ずしも質の高いものではありません。更に問題なのは、劇場のある場所が限られた繁華街に集中していることです。これでは高齢者や障がいのある方には不便で、観劇の機会が少なくなってしまいます。

以上のような認識に立ち、私たちは、「近くで」「安価で」「上質な」舞台を創り上げるため、目黒区において、目黒区民の参加による、シェイクスピア劇及びその他の劇の上演を目指します。具体的にはシェイクスピア作品を主なテキストに、プロの有志を指導者として台詞の力をつける稽古を徹底して行い、質の高い芝居を創っていきます。

また、青少年はもちろん、年配の方々や、健康であれば障がいのある方にも広く参加していただくための環境を整えます。世代や、立場、経歴の違いを越えた人間同士によるダイナミックでスリリングな世界を創出する過程で、参加者の人格形成に結びつく様々な体験ができるでしょう。

私たちは、1982年目黒区主催の「演劇教室」で出会った有志により結成され、目黒区及びその周辺で活動してきました。現代劇、古典、劇団オリジナルと多岐にわたる作品を上演してきました。

その活動の中で、芝居の質を上げるための徹底した訓練、安価に芝居を提供するための経費削減、立場や環境を超えてメンバーを幅広く募るということを意識してきました。聴覚障害のあるメンバーが出演し、同じ障害のある観客のために手話通訳付きで上演した経験もあります。

その中で、普段芝居に接することのなかった者が、観劇後、映画では味わえないナマの演技に魅せられ、私たちの活動に参加するようになったこともあります。

気軽に観られるなら芝居は観たいが、高額な入場料を支払うことは難しいという声が多いこともわかりました。昨今の入場料の高騰の背景には、役者の出演料に加え、劇場や稽古場使用料の高騰があげられます。

また、不特定多数の方に情報提供をするためには、広告宣伝費も高額となります。多くの方が気軽に観られる芝居を作るために、更なる経費削減を課題とします。

私たちはこれまで、目黒区の社会教育登録団体として援助を受け、目黒区内の公共施設を利用してきました。また、来年度は目黒区の企画に応募し、「演劇体験ワークショップ」を実施することになりました。このように私たちは、地域密着型の活動を行ってきました。この方向性を維持することが、高齢者や障がいのある方も参加しやすい活動に欠かせません。

個人の小さな出会いから理解や共感が生まれ、つながりが広がり、刺激し合う中で輪が広がることを目指します。さらに他の団体や公共機関との連帯や協力を推進することで地域の活性化にもつながることでしょう。

これらの活動によって、色々な人々が立場を越えて共感しあい、心身ともに豊かに生きていける社会を創ることに寄与できるものと考えております。その目標に向かい、団体としての組織基盤を固め、社会的信用を得て広く活動するため、特定非営利活動法人メグロコミュニティシアターを設立します。

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